AIモードとは?使い方から新機能、SEOへの影響まで徹底解説

2025年9月9日、ついに日本語版の提供が始まったGoogle検索の「AIモード」。「AIモードって何?」「SEOはどう変わるの?」というあなたの疑問に、公式情報を基に分かりやすく答えます。
この記事では、AIモードの基本から、Google I/O 2025で発表された最新機能、SEOへの影響、そして私たちが今から何をすべきかまで、この記事一本で全て理解できます。
この記事でわかること:
- AIモードの正しい使い方と、従来の検索との決定的な違い
- 旅行プラン作成や動画検索など、AIモードの具体的な新機能
- SEOへの影響(メリット・デメリット)と、Googleの公式見解
目次
Googleの新機能「AIモード」とは?
💡このパートまとめ
検索結果の最上部にAIが要約を表示し、対話で深掘りもできるGoogleの新しい検索体験。
まずは、「AIモード」が一体何者なのか、その正体を明らかにしましょう。
AIモードとは「Googleで検索した内容をAIが直接回答してくれる機能」
AIモードとは、一言でいえば「あなたが検索したキーワードに対し、AIが直接文章で答えてくれるGoogle検索の新しい機能」です。
これまでの検索は、あなたが入力したキーワードに対し、Googleは関連性の高いWebページの「リスト(青いリンク)」を提示するだけでした。どのサイトに答えがあるか、最終的に判断するのはあなた自身でした。
しかしAIモードでは、AIがあなたに代わって複数のWebページを読み込み、要点をまとめた「答えの要約」を検索結果の最上部に提示してくれます。まるで、優秀な図書館の司書に「〇〇について教えて」と尋ねると、関連する本を何冊か探してきて、その要点をかいつまんで説明してくれるようなイメージです。
AI Overviews(旧SGE)との違いは?用語をスッキリ整理
AIモードについて調べていると、「AI Overviews」や「SGE」といった言葉を目にして、混乱してしまうかもしれません。これらの関係は以下の通りです。
- SGE (Search Generative Experience): AIモードが正式導入される前の、「テスト期間中のプロジェクト名」です。
- AI Overviews (AIによる概要): 検索結果上部に表示される「AIが生成した回答そのもの」を指します。
- AIモード: AI Overviews よりもさらに拡張された機能を持つ、対話型の検索体験全体の「機能の正式名称」です。
基本的な使い方と画面の見方【PC・スマホ対応】
AIモードの使い方は非常に簡単です。
- いつも通り、PCまたはスマートフォンのGoogleで検索します。
- 検索結果の上部に「AIモード」というタブが表示されるので、それをタップ(クリック)します。(表示されない場合もあります)
- すると、AIによる回答が生成されます。回答の下には、情報源となったWebページへのリンクが表示されます。
- 回答の下にある入力欄から、追加の質問をすることで、AIと対話を続け、さらに情報を深掘りすることも可能です。
AIモードで何ができる?Google I/Oで発表された新機能
💡このパートまとめ
専門家レベルの調査代行、カメラを使ったリアルタイム検索、チケット購入などのエージェント機能が追加。
Google I/O 2025で発表された内容は、AIモードが今後どのような進化を遂げるのか、その壮大なロードマップを提示するものでした 。単に情報を要約するだけでなく、私たちの知的生産活動や日常のタスクそのものを代行する「アシスタント」へと変貌を遂げようとしています。特に注目すべき4つの進化の方向性を解説します。
進化①:リサーチの深化:専門家レベルの調査を代行する「Deep Search」
これまでのAIによる回答が「優秀な学生」だとしたら、Deep Searchは「その分野の専門調査員」です。
私たちが「〇〇市場の今後の動向について、信頼できるレポートを基にまとめて」といった複雑な調査を依頼すると、AIはそれを「市場規模のデータは?」「主要プレイヤーの動向は?」「関連する法規制は?」といった数百のサブクエリに分解し、Web全体を徹底的に調査します。そして、信頼性の高い情報源からの引用を基に、一つの体系化されたレポートとして再構築してくれます。これは、私たちがこれまで数時間を費やしていたリサーチ業務を、AIがわずか数分で肩代わりする未来を示唆しています。
進化②:タスクの実行:面倒な手続きを代行する「エージェント機能」
AIモードは、情報提供だけでなく、具体的な「タスクの実行」までを担うようになります。
例えば、「今週土曜の野球のチケットを2枚、なるべく安く探して」と頼むだけで、AIが複数のチケット販売サイトをリアルタイムで横断検索し、価格と在庫を比較。最適な候補を提示し、ユーザーが選ぶだけで面倒なフォーム入力までを代行します。Googleによれば、この「エージェント機能」は、まずチケットやレストランの予約から始まり、将来的にはあらゆるサービスの予約や手続きへと拡張される予定です。検索が「探す」場所から「実行する」場所へと変わるのです。
進化③:現実世界との対話:カメラをかざして問題解決する「Search ライブ」
検索のインターフェースは、テキスト入力欄だけではなくなります。「Search ライブ」機能により、スマートフォンのカメラが新しい検索窓になります。
目の前の故障した機材にカメラを向けて「これを直すにはどうすればいい?」と話しかければ、AIがその製品を視覚的に認識し、モデル名や症状から最適な修理マニュアルや解説動画を提示してくれます。これは、Googleレンズの物体認識能力と、対話AIの課題解決能力が融合したものであり、現実世界の問題とデジタルの情報をシームレスに繋ぐ新しい検索の形です。
進化④:購買体験の革新:あなた専用の「AIショッピングパートナー」
ECにおける商品探しも劇的に変わります。AIモードは、Googleの膨大な商品データベース(ショッピンググラフ)を活用し、あなた専用の買い物パートナーになります。
「この夏に着る、青いリネンシャツのおすすめは?」といった曖昧な質問から最適な商品を提案してくれるだけでなく、自分の写真をアップロードするだけで、気になる服を仮想的に試着することも可能になります。さらに、気に入った商品が見つかれば、エージェント機能がGoogle Payと連携し、購入手続きまでを代行してくれます。商品の「発見」から「比較検討」、そして「購入」までが、AIとの対話でシームレスに完結するのです。
進化⑤:個人の最適化:あなただけの「パーソナルアシスタント」へ
AIモードは、あなたの過去の行動や他のGoogleサービス(Gmailなど)の情報を連携させることで、よりパーソナルな提案を行うようになります。
例えば、「今週末の旅行でおすすめの過ごし方は?」と尋ねると、AIはあなたのGmailにあるフライト予約情報を参照し、「空港からホテルまでの最適な交通手段はこれです」と答えたり、過去の検索履歴からあなたがジャズ好きであることを学習し、「ホテル近くに評価の高いジャズバーがありますよ」と提案したりします。もちろん、プライバシー設定はユーザー自身が完全に管理できますが、AIがあなたの文脈を深く理解し、先回りして最適な答えを提示する、まさに執事のような存在へと進化していくのです。
なぜ賢い?AIモードを支える2つのコア技術
💡このパートまとめ
最新AI「Gemini」の頭脳と、AIが分身して検索する「クエリ・ファンアウト」技術が賢さの秘密。
AIモードが、なぜこれほど複雑な質問にも的確に答えられるのか。その背景には、Googleが誇る2つの強力なテクノロジーがあります。
頭脳となるAI:Googleの最新モデル「Gemini」
AIモードの回答を生成しているのは、Googleが開発した最新かつ最も高性能なAIモデル「Gemini」です。Geminiは、テキストだけでなく画像や音声も理解できる「マルチモーダル」な能力を持ち、非常に高度な推論を行うことができます。この強力な「頭脳」があるからこそ、ユーザーの曖昧な質問の意図を正確に汲み取り、質の高い回答を生成できるのです。
検索の仕組み:AIが分身して同時検索する「クエリ・ファンアウト」
AIモードの裏側では「クエリ・ファンアウト」という技術が使われています。これは、ユーザーからの複雑な質問を、AIが複数の単純な質問に自動で分解し、それらを同時に検索。そして、得られた結果を統合して最終的な答えを作り出す仕組みです。
この仕組みにより、これまで人間が何度も検索を繰り返して行っていたリサーチ作業を、AIが瞬時に代行してくれるのです。
SEOへの影響は?メリットとデメリットを冷静に分析
💡このパートまとめ
アクセスは「量より質」の時代へ。意図の明確なユーザーが増える一方、単純な情報記事は淘汰される。
Webサイト運営者として、最も気になるのがSEOへの影響でしょう。ここではメリットとデメリットの両面から、冷静にその影響を分析します。
メリット:検索意図が明確な、質の高いユーザーが増える
Google Japan Blogによると、AIモードの導入後、ユーザーはより長く複雑な質問をするようになり、AIが提示したリンクをクリックするユーザーは、サイト滞在時間などが長い「質の高い」訪問になる傾向がある、と報告されています。
これは、AIによる要約で基本的な疑問が解決された上で、「もっと詳しく知りたい」という明確な意図を持ってサイトを訪れるためだと考えられます。
デメリット:ゼロクリック検索が増え、サイト全体のアクセス数は減少する可能性
一方で、AIが答えを提示してしまうことで、ユーザーがサイトを訪問せずに検索を終えてしまう「ゼロクリック検索」の増加が懸念されています。特に、簡単な意味調べなど、AIの回答だけで完結してしまうキーワードでは、サイトへのトラフィックが減少するリスクは否定できません。
【結論】Googleの公式見解:「品質が高ければ問題ない」
こうした懸念に対し、Googleは一貫して「ユーザーにとって価値のある、高品質なコンテンツであれば、AI生成かどうかにかかわらず評価する」という姿勢を示しています。つまり、AIに要約され、代替されてしまうような薄い情報ではなく、AIには書けない独自の価値を提供することが、これまで以上に重要になるのです。多くの担当者がトラフィック減を懸念していますが、パニックになる必要はありません。重要なのは、AIに代替されにくい「あなた自身の経験」や「独自の分析」の価値が、相対的に高まるという事実です。これはチャンスでもあります。
AIモード時代にSEOで評価されるコンテンツの3つの共通点
💡このパートまとめ
AIに代替されない「あなた自身の経験・専門性・信頼性(E-E-A-T)」が、これまで以上に重要になる。
では、「AIに代替されない、価値あるコンテンツ」とは何でしょうか。これからのSEOで評価される記事には、以下の3つの共通点があります。
共通点①:書き手の一次情報(体験・独自調査)が含まれている
AIは、インターネット上にある既存の情報を学習して文章を生成します。つまり、Web上にまだ存在しない情報、例えばあなた自身の具体的な「体験談」や、独自に行った「アンケート調査の結果」などは、AIには絶対に書けません。こうした一次情報こそが、コンテンツの価値の源泉となります。
共通点②:特定の分野に関する深い「専門性」がある
広く浅い一般的な解説は、AIの最も得意とするところです。これからは、特定の分野に特化し、専門家ならではの深い知見や考察を提供することが求められます。あなたのサイトが「〇〇のことであれば、このサイトが一番詳しい」と認知されるような、専門性を磨き上げましょう。
共通点③:誰が書いたかという「信頼性」が明確である
AIが生成した情報には、誤りが含まれる可能性があります。だからこそ、読者も検索エンジンも、「この記事は、その分野の専門家である〇〇さんが責任を持って発信している情報だ」という信頼性をより重視するようになります。著者情報を明確にし、サイト運営者の素性を明らかにすることが、これまで以上に重要です。
まとめ:AIモードを恐れず、コンテンツの本質に立ち返ろう
今回は、Googleの新機能「AIモード」について、その基本からSEOへの影響、そして今後の対策までを解説しました。
- AIモードとは: GoogleのGeminiが、ユーザーの質問に直接答える新しい検索体験。
- 新機能: プランニング、対話型カスタマイズ、動画・ビジュアル検索など、単なる要約を超える。
- SEOへの影響: トラフィックの「量」より「質」が問われる時代へ。
- 私たちがすべきこと: AIには書けない、E-E-A-Tに基づいた「あなた自身の言葉」で語ること。
AIモードの登場は、私たちコンテンツ制作者にとって、改めて「ユーザーにとって本当に価値のある情報とは何か?」を問い直す良い機会です。変化を恐れず、コンテンツの本質に立ち返り、読者との信頼関係を築いていきましょう。
AIモードについてもっと詳しく聞きたいという方は下記よりお気軽にお問い合わせください。
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