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2022年6月15日

どうやって組織を育てますか? 〜組織マネジメントに必要な3つのステップ〜

 Webマーケティング/SEO事業を展開するBridgeの小早川です。コンテンツマーケティング事業部(SEO事業)の事業責任者として、組織運営を行なっており、「マネジメント」についてお話しできればと思います。

 実際に、多くの方がマネージメントについて悩んでいると思います。メンバーも頑張っているけど数字が上がらない、組織の士気やモチベーションが向上しないなど、課題を感じている人もいると思います。

 私はこれまで大手企業、急成長ベンチャー、スタートアップと様々なフィーズの組織に関わってきました。カオスな状態に飛び込んでリーダーシップを発揮し、事業を立て直した経験もあります。営業マネージャー、営業推進の室長として実戦の中で身につけてきた、組織マネージメントについてお話しさせていただきます。ぜひ、マネージメント課題に取り組みたいと思っている方々にこの記事が届き、実行に移されることを願っています。

 

小早川 渉のプロフィール:
1987年生まれ。2010年に専門商社に営業として新卒入社。専門商社にて3年連続売上成績1位を獲得した後、2016年にITベンチャーに入社。
ITベンチャーにてマネージャーを経て、営業推進室を立ち上げ室長に着任、事業立ち上げから上場まで経験。
2020年からBridgeにジョインし、SEO事業の事業責任者として着任。自身でもDX事業で会社経営。

 

結論から申し上げると
下記の3つのステップを踏まえて、実務に落としていくことが大切です。
それぞれ見ていきましょう。

ステップ①:現状を知る
ステップ②:ミッションを作る
ステップ③:実行する、仕掛けを作る

 

組織が機能していない理由
組織フェーズ、型を知る。


〜ステップ①:現状を知る〜

組織が機能していない理由は様々ありますが、まずはマネージメントの型を知ることから始めたく思います。マネージメントには一定の型や手法があり、組織に適したマネージメントや組織運営の方法があります。

 マネージメントがうまくいかない要因の多くは、Aという組織に、Aという適したマネージメントをせず、Bという不適切な手法を使っていることがほとんどです。管理者が過去の成功体験に囚われずに、事業内容やフェーズ毎にマネージメント方法を選択する必要があります。

 まず、組織状態については、大きく4つに分類することができます。下のグラフをみていただくとイメージが付きやすいと思います。
・導入期(立ち上げ期)
・成長期(急拡大、成長の継続)
・成熟期(軌道修正)
・衰退期(立て直し)

※引用元:事業のライフサイクルに合わせた戦略を/竹内 建一郎URL:https://www.tanabekeiei.co.jp/t/fcc_magazine/2018/post-231.html

 

 ビジネスには「事業のライフサイクル」と呼ばれる、一連の流れがあります。どのビジネスにも、図のように売上の山があり、いずれは衰退期を経験します。市場変化や技術革新によって事業の浮き沈みは発生するため、時代や顧客のニーズに合わせて事業構造を変化させていく必要があることがわかります。

 まず、この「事業のライフサイクル」を理解していないと適切な施策を打つことができません。例を挙げれば、導入期(立ち上げ期)で事業立ち上げ期に、別の新規事業に力を注いでしまう、営業組織強化のために大量採用を進めるなどです。一方で「事業のライフサイクル」を理解していれば、事業フェーズに合わせて適正な施策を打てるようになります。まずは自分たちはどこに位置するのかを理解しましょう。

 

3つの「型」


組織状態を把握した上で、どのような組織体制でやっていくか、チーム構成を組むのかも考える必要があります。組織体制については大きく3つの型があり、構造型、文鎮型、プロジェクト型と分類できます。どの体制が良い、悪いとかではなく、フェーズごとに最適な組織体制があることを覚えておきましょう。

※引用元:長村 禎庸. 急成長を導くマネージャーの型
~地位・権力が通用しない時代のイーブンなマネジメント (Japanese Edition) (p.120). Kindle 版.

 

●文鎮型は、
事業立ち上げ期やスタートアップなどで多く実行されている組織体制です。1名のマネージャー、その下何名かで構成し、次々と意思決定していきます。早く行動に移し、新しいアクションを次々に起こしていきます。ただ組織が大きくなると継続することが難しくなります。

●構造型は、
俗にいうピラミッド体制です。経営層、中間管理職、現場と構造化された組織ですね。大企業で多く用いられている型です。

●プロジェクト型は、
物事を達成するために課題軸で組織編成を作っていきます。経営コンサルで多く用いられており、プロジェクト単位で仕事する際に課題に沿ったメンバー構成をします。

 

Bridgeの社内でも3つの「型」をベースに、プロジェクト型の組織やチーム構成を組むことを意識しており、各事業課題に合わせて社内メンバーの配置転換を行っております。そうすることでコミュニケーションコストやタスク管理を容易にし、迅速に事業展開できることを意識しています。

 

 

人を動かす。


〜ステップ②:ミッションを作る〜

実際に組織マネージメントをしていく際に、どのようにアプローチするのかを考えていきます。前提としてチームで目標達成するためには、一緒に働くメンバーを動かすことが大切です。どのように動いてもらうのか、組織をマネージメントするかが管理者の仕事です。それではメンバーに主体的に動いてもらうためには、どうすればいいでしょうか?

 私が考えるには、原動力となる「意義、ミッション」を伝えること、または組織全体の「カルチャー」を作っていくことが必要だと思っています。「そんなこと分かっているよ!」という声もありそうですが、実際の仕事や実務の中に落とし込めてますでしょうか?

メンバーとのMTGでは、数字やKPI、アクションの話がメインになってしまい、管理者が「仕事の意義、ミッション」を言語化し、実務に落とせていないことが多々あります。私たちは誰のために仕事をし、クライアントにどのように価値を発揮しているのか、を理解できずに業務を進めてしまっています。そこで、管理者に求められるスキルとして、経営陣から下りてきた目標や実行案を鵜呑みにして、メンバーとコミュニケーションを取るのではなく、管理者が「仕事の意義、ミッション」をベースにメンバーとコミュニケーションを取っていく必要があります。

 

 

 管理者自身が納得した上で、メンバーと会話していく必要があるのです。短期的な数字やアクション目標だけではなく、その数字を行うことでクライアントや関係者にどのような影響ができ、将来的にどのような価値提供ができるのか、中長期的な視点を基に組み込む必要があります。そのような意識づけ、定着によって主体的に動くメンバーが増えていきます。ミッションを基にして、物事の優劣を判断して動けるようになってくるのです。

 当たり前ですが、人には感情があり、物事への考え方や見方はそれぞれ異なります。だからこそ、管理者が「意義、ミッション」を理解し、現場の考えを理解した上で、方向性を提示する必要があります。

 

「仕事の意義」を具現化する。


〜ステップ③:実行する、仕掛けを作る〜

では、どのように「意義、ミッション」を実務に落とし込んでいけばいいのでしょうか。日々の業務で、数字、行動力やKPIを中心にコミュニケーションを取っていると、次第にメンバーが付いてこれずに、組織機能が低下してしまう可能性があります。日々の仕事が、KPIや数字をこなす作業になってしまい、本来の仕事の価値が見えづらくなっています。

 そこで「自分自身や組織が半年後、1年後どうなりたいのか?」という疑問を自分自身に問いかけてみて下さい。

 

 

 そして「仕事の意義」を具現化するために、社会軸、市場軸、自社軸の3つの視点から策定することを進めます。定量面、定性面で書き出してみて、具体的な目標として設計していきます。例えば、私たちのSEO事業部であれば、下記の3点を抽出してミッションを設定しました。

  • 社会軸は、クライアント組織の資産になるメディア、ユーザーのきっかけになるメディア創出。
  • 市場軸は、顧客満足度No.1を目指す。
  • 自社軸は、顧客のパートナーとなる。成果満足No.1を目指す。

※2022年4月に社内設定した、SEO事業部のミッション

 

上記を掲げる中で、手段としてクライアントのメディアグロースを支援する事業と定義しています。私たちの仕事の価値を理解することで、言葉が原動力となります。事業の売上や管理に目がいきがちですが、「仕事の意義」の浸透こそが、組織をマネージメントする側の重要な指標でもあります。

 

意図的に「仕掛け」をつくる


 「仕事の意義」を設定した後、組織に浸透させることが必要です。浸透させるために、意図的に「仕掛け」を用意し、組織が雪だるま式で改善するようになります。メンバーそれぞれが主体的に動き、組織が円滑に機能するために、「仕掛け」を日々の業務に組み込んでいきます。

 例えば、組織に勝ち癖を付けたいのであれば、個人個人に小さな成功体験を体験してもらうことが有効です。小さな成功を味わうと、次の成功に向けて能動的に動くものです。それが徐々に大きくなり、一個人から、チーム、組織へと伝染していきます。Bridge社内では、BOP賞(Best of Out Put)という、1週間で良い取り組みをメンバー間で評価し、Slackで公開する制度があります。個人の取り組みを周りのメンバーから評価することで、個人の成長を促進し、よりよい循環を産むことを意図しています。

 

●写真の左側: 全社総会での4半期BOP賞の発表スライド
●写真の右側: 社内Slackでの週間のBOP賞の共有。

 

 改めてですが、人には感情があります。個人の頑張りが周りに評価されると嬉しいですし、評価した側の人たちも「頑張ろう」と思えるきっかけになります。個々の取り組みで事業によい影響を与えることを、会社や周りのメンバーから評価されることで、個人の動機付けにもなります。

 そのような1つの成功体験を積み重ねることが組織全体に広がっていくことで、周りの人も「良いアウトプットを出し続ける」組織になっていきます。事業を伸ばす、個人の成長を促進させる、その2軸を意識して「仕掛け」を作っていくことが求められています。また新しいルールや制度を作っても組織に定着しない場合もありますが、継続する根気強さも大切です。1〜2年先の組織をイメージして、アクションを継続していきましょう。

 

人間性、心構えが1番大切。


ステップ①:現状を知る
ステップ②:ミッションを作る
ステップ③:実行する、仕掛けを作る

是非、3点を踏まえて自分達の組織は何をすべきか、考えていただきたく思います。

 また最後に、マインド面のお話をしたいと思います。これまでの知見やノウハウは、マネージャーとして必要な知識ではありますが、最も大切なのはマインドだと思っています。管理者は経営陣の一員であり、自分で意思決定を行うという心構えです。リーダー、マネージャーという役職があるから偉いとかではなく、役職は役割であると認識すべきです。プロフェッショナルであり、仲間を導くために、批判も覚悟でチャレンジすることが大切です。

 変化を起こす場合、時として文句をいう人もでてきます。そのような批判も乗り越えて、行動し続ける必要があります。人任せや仕組み任せにせず、意思決定をして自ら行動することです。ベンチャーなどの人数が限られた組織こそ、熱意を持って行動すること。経営陣の言葉を通訳するのではなく、自分の言葉でメンバーに伝えることが大切です。そして目的意識を常に持つことです。目的、成果が大事であり、好き嫌い、得意、不得意ではなく、役割を実行することです。自分が最終的に責任を取る覚悟、腹を括れるのか、そのマインドが何よりも大切だと思っています。

まだまだ私も経験不足、至らぬ点も多々あります。これまでのマネージメント経験を基に、事業の立て直しや改善を行ってきました。その中で私自身が経験してきたノウハウやマインドを学び取って、読者のみなさんの組織で実行していただきたいです。

 

最後に、宣伝です!
BridgeではWebマーケティング・SEO事業を軸に急拡大しています。第二創業期として、2022年に新規事業もリリース予定。現在、中途採用を力を入れていますので、どのような会社か是非チェックしてみてください。
Wantedlyやnoteでも情報発信を行っています。

ありがとうございました!

 

 

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