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ブログ 2025年4月1日

「急成長スタートアップのマーケティング思考法と成長戦略」イベントレポート

こんにちは!Bridgeでイベントを担当している松本です。
3/18(火)に開催された「急成長スタートアップのマーケティング思考法と成長戦略」のイベントの様子をお届けします!

イベント概要

今回のイベントはマーケターの方向けに開催されました。事業会社、支援会社、様々な業界でマーケティングに携わる方にご来場いただき、最終的には30名以上の方がご参加。終始大盛況のイベントとなりました。
主催である株式会社Bridgeの取締役/COO 坂本がモデレーターを担当し、2社の方々にご登壇いただきました。

・株式会社Oh my teeth
創業以来5期連続黒字、年間売上30億を超える歯科矯正サービスを提供。代表取締役CEOの西野 誠さんにご登壇いただきました。

・株式会社ログラス
直近の資金調達で累計100億円を調達。経営企画向けに経営管理SaaSを提供するスタートアップ。マーケティング責任者の盛川 皓介さんにご登壇いただきました。

※写真は運営・モデレーターのBridge社の面々と、登壇者の方々

イベント開始

会場は、Bridgeのオフィスがあるリンクスクエア新宿16階のWeworkラウンジ。過去の参加者様からのアンケートを参考に、いつもより多めにパネルディスカッションの時間を設けました。

開会の挨拶

まずは、Bridge取締役の坂本よりご挨拶とイベント開催の目的・背景をお話ししました。Bridgeでは、マーケター同士の横の繋がりを強化するため、こうしたイベントを継続的に開催しています。

各社の紹介が終わった後、早速トークテーマに移りました。以下、当日お話しした内容をレポートします。

トークテーマ1:これからのマーケターに求められるもの

ログラス・盛川さん
「ログラスでは、BtoBマーケの未経験者でも“挑戦したい”という意欲のある方、スピード感をもって実行し続けられる方、諦めずにやりきれる方を積極的に採用したいと思っています。もう一つの軸は“企画屋”として、面白いコンテンツや実体験に基づいた企画をしっかり作れる人、そしてその企画にこだわれる人ですね。」

Oh my teeth・西野さん
「私たちが一番重要視しているのは“好奇心(探究心)”を持った人ですね。好奇心さえあれば、意外といろいろなことを突破できると考えています。」

Q.採用時の見極め方は?
・西野さん:
「探究心の有無は、たとえば小さい頃の体験や自由研究など、一つの物事にどれだけハマって取り組んだかを聞いてみることで見極めています。」

・盛川さん:
「うちも採用時に“人生で一番熱量を注いだことは何か”を質問しています。そこに対する答えや考え方で、探究心を見たりしているんです。」

トークテーマ2:マーケティング投資の考え方

Oh my teeth・西野さん
「私たちは“良いプロダクト”があればユーザーが増えて、その結果データも溜まるので、さらにプロダクトに再投資してユーザーを増やすという循環を証明したいと考えていました。
創業から4年目までは広告費ゼロで徹底的にユーザー体験にこだわったんですよ。そのおかげでPMF(プロダクトマーケットフィット)後は、月で1億以上広告費を投下しても黒字を維持できるようになりました。
また、大手と正面から戦わず、確実に競合の隙間を狙うことを意識していました。矯正の領域では、大通りとなるのが検索エンジンと、そこから見られる口コミ・評価だと考え、自社ブログなどで“入り口”を押さえる戦略を徹底的にやったんです。
PMFをしたかどうかの見極めは、“競合からOh my teethに流れてくるユーザーが増えたタイミング”でした。そのときに広告費を徐々に強化していきました。
ちなみに、記事作成のリソースは当初ほとんど私が担っていましたね。金銭的に余裕がなかったのと、文字数が多い分、情熱と知識がないと書けないと思ったので、当時は自分で書くしかないと思っていました。」

ログラス・盛川さん
「ログラスはエンタープライズ向けSaaSを提供していて、資金調達もある程度しっかりできている会社です。ですので、“人”や“お金”をどう投資すると伸びるのかを常に考えてきました。
ただ、BtoBでは定量的な振り返りが難しいんですよね。商談から受注まで1年かかったりもするので、リードは獲れてもなかなか受注につながらないということが起きやすい。一方で、必要最低限の施策量をこなせないまま“成果が出ない”と判断してしまうと、正しい評価ができないケースも出てきます。

その中で意識してきたことが2つあります。
最初は“拡張性があるか”ですね。施策を考える時、頻度高く実施・展開できるものを初期は優先しました。たとえば、オフラインカンファレンスを年1回やるよりも、まずはオンライン施策などでPDCAを高速に回す方がスタートアップの初期には合っていると考えました。

2つ目は“即効性”。やろうと思ってから実行までのスピード、そして成果が出るまでのスピードは早いに越したことはない。だから初期は検索広告などに重点投資したんです。
ただし、ある程度予算もあるので、展示会のように短期的に非効率でも学びが大きい施策は、あえて大きくやってみることもありました。うまくいかなければそれで終わりではなく、“学びが無いままに終わるのはNG”だという考え方ですね。
また、定量データだけで考えすぎず、時には“徹底的にやってみる”ことも大事だと思っています。実はデータを待たなくても、なんとなくわかっていることってありますから。」

トークテーマ3:チーム作り・権限移譲

Oh my teeth・西野さん
「私の考え方としては、権限移譲をするなら“もう口を出したくならない人”に任せるべきだと考えています。もし少しでも口を出したくなるなら、それは自分がやるべきなんです。
実際にOh my teethの最初の3年くらいは、結果的に社員がゼロでした。スタートアップだからこそ当たり前かもしれませんが、本気でやるなら自分で動いてしまうほうが早いんですよね。
それでも採用するときはまず“トライアル入社”から始めます。短くても1ヶ月、長い方だと半年~1年、業務委託で携わってもらい、カルチャーやミッションへの共感を見極めたうえで正式にオファーしています。
そして、一度移譲すると決めたら口を出さないようにしています。スマートHRの宮田さんのブログにも書かれていますが、経営者やリーダーがMTGに参加すると、どうしても口を出したくなってしまう。そうするとチームが自走しなくなり、組織として大きくならないんですよね。」

ログラス・盛川さん
「私は、“人的リソースをどう調達するか”という点で、下図のように4象限で考えています。施策量を増やしたいならインターンや契約社員の方、専門性を高めたいなら業務委託やパートナー企業と組むなど、事業の成長ステージに合わせて最適な組み方をするんです。
たとえば初期は私とインターン、業務委託で立ち上げて、そこから成長期に入るとパートナー企業やさらに業務委託の人数を増やしていく。あくまで会社のフェーズに合わせて柔軟にチームを組成するイメージですね。
ぜひ皆さんも、自社の今の状態や今後のフェーズに合わせて、どういうパートナーと組むのが効果的かを考えてみてください。」

懇親会

パネルディスカッション終了後には、1時間の交流会を実施。キャリアの相談や、登壇者の方が話した内容への質問、参加者同士の交流など、活発な意見交換が行われました。最後まで非常に熱気があり、多くの方に楽しんでいただけたようです。

まとめ

経営者の西野さんと、マーケ責任者の盛川さんという異なる立場からそれぞれの視点でお話いただいたことで、学びの多い有意義な時間になりました。お越しいただいた方同士も、終了後も話し込むシーンが見られ、大変盛り上がりました。
Bridge社は定期的にウェビナーやオフラインのイベントを開催しています。オンラインイベントも良いですが、顔を合わせて交流できるオフラインはまた違う盛り上がりがあります。今後も定期的に開催してまいりますので、ぜひお気軽にご参加ください!
ご参加いただいた皆様、そして今回ご登壇いただいた西野さん、盛川さん、本当にありがとうございました!