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ブログ 2025年2月5日

「大型資金調達スタートアップのマーケティング最前線」イベントレポート

こんにちは!Bridgeでイベントを担当している松本です。12/23(月)に開催された「大型資金調達スタートアップのマーケティング最前線」のイベントの様子をお届けします!

今回のイベントはマーケターの方向けに開催されました。事業会社、支援会社、様々な業界でマーケティングの業務をされている方にご来場いただきました!

イベント概要

今回は主催者である株式会社Bridgeがモデレーターをさせていただき、登壇いただいた企業は4社になります!

※写真は運営モデレーターのBridge社の面々と、登壇者の方々

創業わずか1年で既に2つのプロダクトをリリースする株式会社PeopleXのマーケティングマネージャー児玉幹さん、「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに3つの事業を展開している株式会社Ubieの岡アキラさん、コンディショニングを支える製品を次々と生み出している株式会社TENTIALの事業本部 副本部長 兼 セールス・マーケティング部 部長 岩松泰平さん、国内最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスター株式会社取締役COO成田暁彦さんに登壇いただきました。

年末の月曜日にもかかわらず、最終的には30名以上の方がご参加し、終始大盛況のイベントとなりました!

イベント開始

Bridgeのオフィスがあるリンクスクエア新宿16階のWeworkラウンジで開催されました。

今回は豪華な登壇者にお話頂く事もあり、いつもより多めにパネルディスカッションの時間を用意しました。

 


開会の挨拶

弊社の取締役である坂本から挨拶をした後、今回のイベント開催の目的・背景を説明しました。各社の紹介が終わった後は、早速トークテーマの話になりました。

以下、当日お話した内容をレポートします。

トークテーマ1

1つ目のテーマでは、各登壇者がマーケターに考える(=求める)素質についてのお話をしていただきました!

まずは、TENTIALの岩松さんがトップバッターでお話頂きました。

岩松さんの考えるマーケターの素質は「とにかく結果で証明できる人」です。
マーケターとして、色々な知識を持っていることや成功事例を持っていることも重要だが、
事業が求めていることから逆算して最短プロセスで結果を出せる人が特にマーケターとしては重要であるという内容でした。

そんな岩松さん自身も、どうすれば企業の商品認知を広げられるか苦悩していました。いろんな人から話を聞いて、TENTIALとしても初めての試みで あるテレビCMを放送することにトライしました。結果的にかなり認知を広げることができることになり、事業が求めている「自社商品の認知」を拡大することができたというエピソートもお話いただきました。

次にUbieの岡さんにお話をお伺いしました。

岡さんが考えるマーケターの素質は「企業のミッションに共感して、目的と成果を追求できる人」です。Ubieではスタンスとスキルを言語化しており、スタンスとしては4つ定めており、世界に通用するサービスを作り出すために、個人はもちろんチームで高い視座をもって目的と成果を追求するスタンスを求めています。

また、U-mapというスキルマップも可視化しています。マーケターに求めるスキルとしては10を100にできるスキルで、プロダクトマーケットフィットしたサービスを世界に届けられるスキルがマーケターに求めるスキルであるとおっしゃっていました。

次にPeopleXの児玉さんにお話を聞きました。

PeopleXは上記2社とは異なりBtoB向けのプロダクトを展開しています。
児玉さんはスタートアップの初期段階のマーケターの素質に必要なことは2つあるとおっしゃっていました。

まず1つ目が「市場をつくる」ことを意識できる人です。
スタートアップ(初期段階)では、マーケットがないので顧客も競合他社もいない状態です。足元すぐに結果が出ないため長期で頑張れる覚悟があるかが重要になります。0から市場を作っていく気概でやる必要があるという内容でした。

2つ目が小さい実績を大量に積み上げられる人です。
もちろん中長期的な施策ばかりではなく、短期的な成果を出すために、数をこなして施策をこなしていく必要があります。BtoBは特に長いスパンの施策も多いので、すぐに成果を出せる施策を見つけてやっていくことも重要になってくるという内容でした。

最後に、クラスターの成田さんが求めるマーケターの素質についてお伺いしました。

成田さんがスタートアップのマーケターには重要なマインドが3つあると説明してくれました。

まず1つ目が「インパクト思考」です。よく大きいインパクトの施策をやろうという話になりますが、具体的に施策のインパクトを可視化、定量化、言語化して定義できる人はマーケターとして素養があると言えます。
2つ目が「仮説ドリブン」です。並列の言葉としてデータドリブンという言葉があると思います。データドリブンで考えると当然競合他社と似た施策が多くなってきます。
その中で一つ頭抜けるためには「こうなったらいいよね」という仮説を立ててそこを裏付けるデータを持って来る。そうすることによって他社と違ったアイディアが出てくると考えます。
最後は「期待値越え」です。マーケター自身が誰のどの期待値を超えていくべきなのかを意識することが大事、という内容でした。

トークテーマ2

2つ目のイベントテーマとしては、大注目スタートアップでのFun / Hard Thingsについて登壇者に語ってもらいました。

まずは、PeopleX 児玉さんにお話をしていただきました。

まだ創業間もない事もありルールが無く、0から作る必要があるので、それが楽しくもあり辛くもあるとのことでした。また、事業が急拡大をしている事もあり、漫画のように強い仲間が増えていき全然違う畑の人と強いチームを作っていくことが楽しいという点も印象的でした。

ハードシングスとしては社長が掲げるミッションを言語化、KPI設計、施策に落としていくことが難しい部分でありながら楽しんでやっているとお話しいただきました。

次に、クラスター 成田さんにお伺いしました。

ハードシングスのエピソードとしては、
入社した当時は会社の人数が20人くらい(現在は200人規模)で、プロダクトにバリューがない状態でどう価値をつけていくかが一番大変でした。苦しい中でもやらなかったこととしては、暫定で商品と価格の設計を決めて売り始める事です。「値付け」は、経営に直結する重要な意思決定だと考えており、最終的に掛け算で会社の売上規模を決定するものであると捉えています。
そこで前職の繋がりから1ヶ月で80社くらいアポに行き、そこでヒアリングを重ね、商品設計と価格を決めました。結果的に案件単価が大きく伸びることができました。重要なのは、「誰の何をどのくらい(予算)取るか?」を決めることです。
とおっしゃっていました。

次にUbie 岡さんにお話を聞きました。

ハードシングスとしては、入社した週に会社のキャッシュがなくなる状況だったことです。全社員で必死に営業してなんとか乗り越えられたそうです。
また、ステークホルダーの方々との連携や法規制への対応など、サービス展開には医療という領域だからこその様々な課題がありました。

それらを乗り越えたからこそ、現在の事業基盤の構築ができたということでした。

一方ファンシングスは、人命を救う仕事はやりがいや社会的な意義を感じる事です。Ubieが持つデータやAIの力で、ユーザーや病院の先生、製薬企業の方から感謝される事が、一つの充実感だと語っていました。

最後に、TENTIALさんにお伺いしました。

やはりハードシングスとしては前提や制約が無い中で、言い訳ができないことです。
例えば製品がイケてない、予算がない、リソースがない等。そんな状況でも、言い訳するのではなくそれならどんな商品を作るべきか、いくらの予算が適切なのか、採用を頑張る等出来る事をやっていくべきと言っていました。

トークテーマ3

最後は今イベントの肝テーマ、大型資金調達後のマーケ戦略・施策のトピックです。

トークテーマを話す前に、クラスターの成田さんが登壇者の方、観客の方に「代理店選定難しくないですか?」と問いを投げかけていました。特に熱量が高いパートナーを探すのが難しかったとご経験から語っており、発注しない段階から多くの代理店と接点を持っていく事の重要性、自社を理解してくれる広告代理店を見つける事が、スタートアップにとっては必要とおっしゃっていました。

ここから資金調達後のマーケ戦略についてです。
クラスターのビジネスモデルは、クリエイターエコノミーをいかに回し、遊んでくれる人をどれだけ増やせるか、そこで更に課金に繋げられるか、というような全体のトランザクションを増加させる施策が重要です。広告でクリエイターさんを集められるわけではないので、様々な企画をしていく必要があります。
例えば、ゲームの実況配信で有名なインフルエンサーをキャスティングして、TOKYO GAME SHOW等に出展して、クリエイターさんにアプローチする等をしました。メインの資金の使用用途としては、キャスティングや出展周りになっているそうです。

次に、Ubie 岡さんが語ってくれました。

今年Googleから資金調達を実施しました。
最近はどこに投資すべきかようやく見えてきて、患者さんがアプリをいっぱい使ってくれるループと、製薬企業さんにとって必要なソリューションになっていくループを大きくしていくことに投資すべきと考えているそうです。

今までやってきた具体例として、製薬企業の方向けのアジア最大規模のイベントを開催しました。成功のポイントとしてははじめは小さく(100人規模)で始め、我々のビジョンに共感してもらえるアーリーアダプターの方を集める。その1回目の評判が高く、スケールしていき1000人規模のカンファレンスになりました。最初から圧倒的No.1を取りに行くことをぶらさずにやった結果成功することができました。
ビジネス的な部分でいくと、集客しただけではなく架電等を通じ商談化をして売上にも貢献しました。

最後にPeopleX 児玉さんからお話をお伺いしました。

PeopleXは、立ち上がったばかりという事もありコンテンツに力を入れているようです。「アセット」と「モメンタム」をテーマに、膨大な量のプレスリリースを発信、他にもホワイトペーパー、ブログ等様々な施策を実行しています。

ちょうどNewspicksでも、2025年の注目スタートアップに取り上げられる等、認知もあがってきており、ポジティブな状況だそうです。

パネルディスカッション終了後に1時間の交流会を実施させていただきました。

交流会では、キャリアの相談、登壇者の方がお話した内容に関してのご質問等、様々なお話をされていました!

最終的に多くの方が笑顔で帰宅頂いたので、運営としても非常に嬉しく思っております。

最後に

今回のイベントでは、登壇者の方々が、ご自身の実経験に基づくお話をして頂いたので、具体性もあり、非常に有意義なイベントに感じました。

お越し頂いた方も、満足された表情で帰宅されており運営としても非常に良い会だったなと感じました。

Bridge社は定期的にウェビナーを行っているのですが、オフラインイベントはウェビナーよりも熱量が高く、参加者の顔が見えるためまた違った良さがあると思っています。
イベントも定期的に開催してまいりますので、是非ご参加下さい!

ありがとうございました。